夢売るふたり ★★★☆
モアリズム
BounDEE by SSNW (2012-08-22)
売り上げランキング: 39915
東京の片隅で小料理屋を営んでいた貫也(阿部サダヲ)と里子(松たか子)は、火事で全てを失ってしまいます。
再出発のために必要なのは、お金。
しかし、お金のめども立たず、途方に暮れる二人は、ひょんなことから結婚詐欺に手を染めることになります。
『蛇イチゴ』『ゆれる』『ディア・ドクター』と、傑作を撮り続けてきた西川美和監督の最新作!
細かいディテールをとことん突き詰めて、そして丁寧に描く西川節は相変わらずで、やっぱりその迫力に圧倒されちゃいますね。
今までの作品と同様に「ウソ」をテーマにしながら、今回は初めての「男と女」を中心に描くとあって、「うわ…生々しくなりすぎるんじゃ…」とちょっとビビってたんですが、そこはさすが。独特のユーモラスな雰囲気があって、エンターテイメントとしてもシッカリ楽しく観ることができました。
でもね、少し今回はキレがないな・・・なんて思ってしまったんです(ノ_-。)。
平穏な生活を送っているのに、ほんのちょっと波風が立ち始めて、どんどん波が荒くなってくる。登場人物もその波に翻弄されながら、グワングワンと心が揺れ始める。不安になって観ていると、最後にはこれ以上ないところにスパッと着地して見せる。
西川監督の映画ってそんなイメージがあったんですが、僕としては今回はちょっとラストが理解できなかったかな…。そもそも、主人公の阿部サダヲ演じる貫也のことを全くもって好きになれなかったので、ずーっと映画を見ている間じゅう、彼の行動に???となっていました。
貫也が結婚詐欺のため、何人かの女性と関係を持つようになって、女性ごとに色々な世界を貫也が経験していくんですけど、貫也がいまいちなので、女性ごとの話の間がつながってないように見えるんですよね。
そこがちょっと残念なところでした。
でも、あれですね。
詐欺をする相手の風俗嬢役の安東玉恵とウェイトリフティング選手役の江原由夏は凄かったですね。
演技も凄かったし、この2人の役を配置するあたり西川監督って意地が悪いというか、とんでもない観察眼を持ち合わせているというか。
なんだかんだいって、不満点はあるものの、この映画も、やっぱり凄い映画だとは思うんです。
もし、西川監督の映画を観たことがない方がいたら、是非観て欲しいなー(とはいえ、一番最初に観るのはこの映画にしない方がいい気もしますが)。
僕は僕で映画を観ることしかできないんですが、これからも西川監督を応援しておこうと思いますヨーヽ(*´∀`)ノ。
以下ネタばれです。続きを読む
スポンサーサイト
テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画